高野の四季

『温故知新』 自然の中で昔から受け継がれてきた日常と伝統と共に暮らす毎日は、都会で過ごす人達にとって、新鮮で新しい刺激になるはず。空き家など古くからある建物を利用して、新しいことを始めるのにピッタリの場所。それが高野です。

田畑を覆っていた雪が解け、大地が顔を見せ始めるころ、ようやく高野に遅い春が訪れます。中国山地の山々から流れてくる雪解け水が惜しみなく大地を潤してくれているので、土の状態は最高。いよいよ農家の1年がスタートです。農作物がすくすくと元気に育ちますように、と願いを込めて、種まきや苗植えが行われます。

また、フキノトウやわらび、蕗などの山菜が採れるのもこの時期。山々の恵みが春の訪れを教えてくれるのです。山頂の白い雪帽子がきれいに溶けたら桜の季節。観光名所として有名な円正寺のしだれ桜や大鬼谷の桜のトンネル、山の麓を化粧する山桜の荘厳な姿は、何度見ても見飽きることのない美しさです。桜と同じく春に見頃を迎えるのがりんごの花。ぽかぽか陽気の中白く可憐な花の姿を堪能できるのも、りんごの名産地、高野ならではです。

高野町の自然ともっとも親しくなれる季節、夏。高野町はアウトドアスポットが充実している場所、休日は、家族で高野の自然と思いっきり遊びましょう!
 高野町でキャンプと言えば、「大鬼谷オートキャンプ場」。ツリーアドベンチャーや川遊び、沢登りに登山など、さまざまなアクティビティが楽しめます。思い立ったらすぐにアウトドアが満喫できる…それが高野町の魅力のひとつ。夜には澄んだ夜空を見上げて星座を探したり、清流を飛び交うホタルの幻想的な光景に酔いしれたり。

日中は涼しく、熱帯夜がほぼないので、年々厳しくなる夏の暑さとは無縁。毎日快適に過ごすことができます。高野町の名物、夏イチゴやトウモロコシ、枝豆など夏野菜や果物の収穫が行われるのもこの季節です。

高野町が一年で一番忙しくなる季節、それが実りの秋です。まずは、稲刈り。9月になると、あちこちの田んぼで稲刈りが始まります。採れたての新米の味は格別です。
 稲刈りが終われば、深みのある赤色に色づいた艶やかな高野りんごの最盛期!りんごの収穫、リンゴの販売、そしてりんご狩り体験…りんご農家は息つく暇もないほどです。さらに、高野大根やかぼちゃ、ぶどうなどの農産物もそれぞれ収穫の時期を迎えます。

毎日大忙しの高野町民の秋の楽しみ、それが「秋祭り」。高野の伝統行事であるこのお祭りは、大人は仕事を、子供は学校をそれぞれ休んで参加する、地域の大切な行事です。奉納神楽や獅子舞、こども相撲など、何日も前から準備して本番を迎えることで、地域の人たちとの絆がまたひとつ深まっていくのです。

高野町の冬は、非常に厳しいことで有名。県内屈指の豪雪地帯でもある高野町、初めて高野の冬を迎える人はみな、口を揃えて「想像以上に厳しかった」と言います。しかし、この厳しい冬こそが、豊かな農作物の必須条件。まさに、お金で買えない価値があるものなのです。

とはいえ、高野町には冬のお楽しみも盛りだくさん。スキーはもちろん、西日本最大級のスポーツ雪合戦、「広島県雪合戦大会」開催地として、県内外から多くの人たちが訪れます。たかが雪合戦、と侮ることなかれ。白熱した試合展開は、まさに魂のぶつかり合い!高野に住んだら一度は経験したいスポーツです。秋に最盛期を迎えた農業は、冬にはひと段落。長い冬の間、スキーのインストラクター、林業、リモートオフィスワークなど、それぞれ「もうひとつ」の仕事で活躍する農家の人も少なくありません。